amphibian / 中山敦支「こっくりマジョ裁判」

「ねじまきカギュー」「うらたろう」の中山敦支の最新作その2。元KEMCOのシナリオライターamphibianを原作に迎えての少女たちによるデスゲームもの。それぞれの生活の中で突然一室に集められた少女6人、彼女たちが囲む一つの机の上にはコックリさんの紙とコイン。部屋には名前の書かれた黒板と首を吊られたの魔女の姿。コインから指を離すことはできず、それぞれの手持ちの3枚のカードの意味は一体──。

 全体としては生き残りをかけたデスゲームではあるものの、ストーリーの大半は何も分からない状態からの現状とルール把握に費やされるためにミステリー要素もそれなりにあり、そこに個々の駆け引きというギャンブル要素も含むというなかなかの詰め込みっぷり。このゲームのルール探しがほとんどメインのようなもので、ルールを把握し、その穴を探し、駆け引きに使う、というのはカイジあたりと通じるものがある。机一つの上だけで行われる少女たちの争いが全1巻で駆け抜けていくスピード感は素晴らしく、ダラダラやるよりはこのくらいさっくりとまとめて後はご自由にってくらいが丁度いい。まあ勢いが良すぎて置いてけぼりにされているところはちょっとあるけど、巻末に付け足しで一応の補完はされていてそれがいいかどうかは人によりけりか。