「ねじまきカギュー」「うらたろう」の中山敦支の最新作その1。自分の生を終わらせるために他人を自殺から救うことになった少女、青木ヶ原星(きらり)。人に取り憑き自殺へと追い込む悪魔「フォビア」と戦うため、きらりはマジカル首吊りロープで自殺装束装着(スーサイドレスアップ)してスーサイドガール首吊少女(ハングドガール)に変身する! という魔法少女アクション。
「魔法少女」という最近では目新しくもなくなった題材をどう料理してくるかと思ったら、主人公はポジティブな自殺志願者で自殺道具でフリフリの魔法少女に変身し、さらに必殺技はその道具に準じた技だったりと、設定だけなら色物でしかないのにそれを超えてくるストーリーの勢いとアクションの大見得の切りっぷりはさすがの一言。愚直なほどにまっすぐで、目的のためなら自分はどれだけボロボロになっても構わないというのは中山敦支作品の主人公の系譜であり、そこに各キャラクターの生死感をストーリーに絡ませてくるのもまた変わらない作風かと。
1巻の終盤で二人目のスーサイドガール手首切少女(リスカガール)が登場し、現在彼女のエピソードは連載中なので、予定されているだろう3人のスーサイドガールが揃うのはもうちょっと後になりそう。これからが期待できそうなだけに、掲載がウルトラジャンプなのでさすがに短期打ち切りはないと思いたい。