曽田正人「Change!」6巻(完)

 月初めの月マガ最終話から月をまたがずコミック最終6巻が発売。どうせ地方での入荷は遅れるし特典もあったので先に電子版で購入。現物は別途購入。

 6巻は高ラ予選2戦目がK-fisch VS 金蛇からスタートしてMCしおりんVSトインビー戦で盛り上がってさあここからというところで締め。メインの活躍はもちろんのこと、それらに正面からぶつかって引き立てる金蛇たち脇役の存在感の出し方が本当に上手い。NARDIといいコンプレックス持ちの熱量とぶつけ方がすごいなあれ。曽田作品全般にいえることだけど、主人公の周りに人が集まってからがどんどん面白くなってくるんだけど、今作は残念ながらここまでということで。曽田正人の描く大人たちはいいキャラが多いだけにオーボエ、外道斬はもちろんしおり父にも活躍の場があったと思うとやはりもったいない。

 マンガ・アニメコンテンツ界隈ではヒプノシスマイクが絶好調でHIPHOP、ラップバトル、楽曲を提供するアーティストにも注目が集まってきていたし、ラップバトルのマンガとしてこれからも存在感をアピールするチャンスはあったはずだけにここで終了を決めたのは惜しい。先があれば劇中楽曲のコンセプトアルバムや作品イメージアルバムなんかが出たら面白いだろうなあとは思っていただけにぐぬぬである。残念だけどさすがに掲載誌を改めて再開はないだろうから、次の新作に期待しておこう。

曽田正人「Change!」が最終回

 作者と公式のツイッターから突然の最終回が告知されたので月マガを読んできたけど、週刊誌のような見事な打ち切りだった。曽田正人作品はずっと読んできてるけど、ここまでの打ち切りは初めて見た気がする。

 お嬢様がラップバトルに出会ってその魅力にハマっていき、色んな人たちと出会い成長していくという、題材は珍しいけど基本は少年マンガで十分に面白かったかと。ただ題材的に他の音楽マンガと違ってリリックが出てくるので、この辺の受け入れが難しかったかなと思わなくもない。実際自分は晋平太によるMC再現が出てくるまでだいぶイメージが違ってた。

 あとスタートダッシュが遅かったとも思う。1巻は二人の出会いのプロローグ、2巻で初バトル(実際には3巻冒頭まで)とまとめて読む分にはまだいいけど、連載だとなかなかメインであるラップバトルまでいかないのが難点だったかと。高ラ予選に入ると毎回バトルで相対する人間模様も毎回面白かったんだけど、さすがにもうその頃には状況をひっくり返すには難しかったっぽい。

 ツイッターでの宣伝や、晋平太によるMC再現、楽曲解説、電子版でタイトル変更とか色々やっていて、ファンもつきはじめていた感はあっただけに、打ち切りは残念。月マガだしもう少し余裕はありそうと思っていたけど、こうなるとアンケートも単行本売上も想定以上に悪かったんだろうなあ。ヒプマイ効果でHIPHOP、ラップバトルが注目されてきているこの段階での撤退は早かったと思うんだけどさて。

 なお現在応援感謝でマガポケで22話まで無料公開中。